TIMOTHY SACCENTI

Zoom Magazine
Joshua Bell
Joshua Bell
Joshua Bell
Joshua Bell
INTERVIEW03
ライヴのための映像であれば物語を語る
必要性もなく、始まりも終わりもないもの
だからこそ、とにかく自由につくる事ができる
最近は『Wired Magazine』の記事のためにヴァイオリニストのジョシュア・ベルのポートレイトも撮影されたそうですね。普段あなたが手掛けている音楽のジャンルとは異なると思いますが、彼に実際に会い、ポートレイトを撮影されてみていかがでしたか?
「重ねて言うと、僕は決して自分の方法というものは変えないんだ。ジョシュアもとても面白い人で、ヴァイオリンの巨匠といえる素晴らしいアーティストの演奏を経験できたのはとてもラッキーなことだった。そして僕らは、その経験をビジュアルという言語に落としこむためのベストを尽くしたということ。僕が日々で最もフォーカスしているのは、彼らアーティストを支える音楽や情熱に対して、『尊敬』の想いを持つということだからね」
School of Seven Bells
School of Seven Bells
School of Seven Bells
School of Seven Bells
INTERVIEW03
ライヴのための映像であれば物語を語る
必要性もなく、始まりも終わりもないもの
だからこそ、とにかく自由につくる事ができる
あなたは、ブルックリンの3人組スクール・オブ・セヴン・ベルズ(以下、SVIIB)とも仕事をされていますよね。彼らの2009年〜2010年のワールドツアーで使用された72分間の映像もあなたが製作したものですが、どのようなコンセプトを持っていたのでしょうか? 製作過程における、エピソードなどあれば教えてください。
「僕は2008年にSVIIBに出会ってから、ずっと一緒に仕事したいと思っていた。そして2009年、『Flaunt Magazine』のフォト・シュートでついに彼らを撮影できることになったんだけど、その時は彼らのビジュアル・アイデンティティというものについて、僕の視点が基となるアプローチを考えていたんだ。その時の撮影では、アリス・バーテイという素晴らしいスタイリストに恵まれ、ヘアメイクのスタッフも含め有能なクリエイティブ・チームとの仕事が実現した。マル・トランスがプロダクション・デザインを担当し、衣装や小物も用意してくれて、それがさらにチーム全体をクリエイティブなエネルギーに持っていったんだ。僕はその時、バンドが儀式的にエレクトロ機材を使用しているということ、そして音楽をセレモニー的な方法で使っていると感じて、まさにその精神を写真に表現したいと思ったんだよ」
その撮影がきっかけとなり、彼らの映像作品も手掛けることになったんですね。
「そうだね。『次はミュージック・ビデオをつくろう』という話になったんだけど、お互いのスケジュールがなかなか合わなくてね……。どこからそんな提案が出てきたのか覚えていないけれど、僕はこれまでずっと誰かのために長時間の抽象的な映像をつくりたいと思っていて、それならば彼らの次のツアーのために長編の映像をつくろうということになったんだ。このアイデアは、僕にとって非常にエキサイティングなものだった。ミュージック・ビデオの編集と製作というのはかなり自分を抑えなければいけないもので、でもライヴのための映像であれば物語を語る必要性もなく、ライヴ・アクションもなく、始まりも終わりもないものだからこそ、とにかく自由につくることができると感じたんだ。ジョーダン・ベルソンやハリー・スミスといった、僕が影響を受けたクリエイターの要素を取り入れることもできると思ったしね」
School of Seven Bells
School of Seven Bells
School of Seven Bells
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INTERVIEW03
ライヴのための映像であれば物語を語る
必要性もなく、始まりも終わりもないもの
だからこそ、とにかく自由につくる事ができる
それだけ長大な映像作品は、あなたにとっても初めてのことですよね?
「これだけ長編の、ましてや1時間を超える素材をつくりあげるというのは、たしかに僕をひるませるものだったよ。なぜなら、それまでに僕がつくった一番長い映像といえば、5分半程度のものだったからね(笑)。最初のフィードバック・テストをやった後に、アルヴィン・クルースという素晴らしいフレーム・アーティストに出会ったんだ。それから彼と一緒にシステムを組んで行って、僕が小さなセットの中で様々な被写体や照明を用いて撮影しては、彼に渡していくという作業が進んでいったよ。アルヴィンはそこで色々なエフェクトを加えていきながら、どれが一番うまくいったかを決めていき、それでまた僕が撮影に戻って彼がエフェクトを加えるという作業の繰り返しだった。僕らはこの映像がSVIIBのライヴで大きく映し出されるとわかっていたから、バンド・メンバー3人分の小さな紙人形を作って、出来あがった映像をチェックするモニター画面に貼り、ライヴ会場で映像がどんな風に見えるかを想像しながら作業していたんだ。この方法によって、大きなスケールの場所でもピッタリで、バンドとシンクロして溶け合うような演出を可能とする……そんな映像を撮っている確信が持てたよ。そういったオーガニックな作業が数カ月続いて、それぞれの楽曲にあわせて映像を切り分けることも可能なくらい、膨大な尺の映像が完成したんだ。35フィートもの高さに映し出された僕の映像の目の前で、バンドが演奏しているのを実際に観たのは、僕のキャリア、あるいは人生におけるハイライトの1つだったと思う」