あなたは、ブルックリンの3人組スクール・オブ・セヴン・ベルズ(以下、SVIIB)とも仕事をされていますよね。彼らの2009年〜2010年のワールドツアーで使用された72分間の映像もあなたが製作したものですが、どのようなコンセプトを持っていたのでしょうか? 製作過程における、エピソードなどあれば教えてください。
「僕は2008年にSVIIBに出会ってから、ずっと一緒に仕事したいと思っていた。そして2009年、『Flaunt Magazine』のフォト・シュートでついに彼らを撮影できることになったんだけど、その時は彼らのビジュアル・アイデンティティというものについて、僕の視点が基となるアプローチを考えていたんだ。その時の撮影では、アリス・バーテイという素晴らしいスタイリストに恵まれ、ヘアメイクのスタッフも含め有能なクリエイティブ・チームとの仕事が実現した。マル・トランスがプロダクション・デザインを担当し、衣装や小物も用意してくれて、それがさらにチーム全体をクリエイティブなエネルギーに持っていったんだ。僕はその時、バンドが儀式的にエレクトロ機材を使用しているということ、そして音楽をセレモニー的な方法で使っていると感じて、まさにその精神を写真に表現したいと思ったんだよ」
その撮影がきっかけとなり、彼らの映像作品も手掛けることになったんですね。
「そうだね。『次はミュージック・ビデオをつくろう』という話になったんだけど、お互いのスケジュールがなかなか合わなくてね……。どこからそんな提案が出てきたのか覚えていないけれど、僕はこれまでずっと誰かのために長時間の抽象的な映像をつくりたいと思っていて、それならば彼らの次のツアーのために長編の映像をつくろうということになったんだ。このアイデアは、僕にとって非常にエキサイティングなものだった。ミュージック・ビデオの編集と製作というのはかなり自分を抑えなければいけないもので、でもライヴのための映像であれば物語を語る必要性もなく、ライヴ・アクションもなく、始まりも終わりもないものだからこそ、とにかく自由につくることができると感じたんだ。ジョーダン・ベルソンやハリー・スミスといった、僕が影響を受けたクリエイターの要素を取り入れることもできると思ったしね」