Zoom Magazine
Interview with Matthew Cooper
Photos and illustrations by Matthew Cooper Text by: Kohei Ueno Interview by: Hitomi Moro (Qetic)

Interview with MATTHEW COOPER

実態のない“アイデア”というものを、“ビジュアル”という形に
表現することにアートワークの面白みがある

以前ズーム・マガジンでジェイソン・エヴァンスとカリブーの新作『スイム』を特集した際にも、あなたにご登場いただきましたね。その時、アートワークを作る際に重要なポイントとして「たとえ誰も気付かなかったとしても、ひねりやサプライズの要素を加えるのが好き」と語っていました。これまでにあなたが作り上げた「ひねり」や「サプライズ」の中でも、特にお気に入りの例を挙げていただけますか?
「まず、Woodbineのファースト・アルバムのジャケットだが、パターンとなっている素材は、実は古いティー・トレイの写真と、足の殺菌用パウダーの缶の写真なんだ! フランツの『トゥナイト』のタイポグラフィーについて話すと、あのアートワークでは、とあるカフェのハンガー・ボードの文字を使用している。その時もアレックスが、スタンダードな書体を使用するよりも、こういった文字を使いたいと提案してくれたんだ。バンドが僕のスタジオにやってきてアートワークについて話をした時に、ちょうどスタジオの壁に、ハンガー・ボードがあったんだよね。しかも『ユー・クッド〜』のジャケットでは、実は「N」の字の右側だけ、普通よりも少し長くなっている。文字が斜めになっているのでなかなか気付かないけれど、なぜかそれがしっくりきたんだ」
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アートワーク制作の面白さとは何でしょうか?
「僕がこれまで仕事をしてきたバンドのほとんどは、いかにして彼ら自身と音楽をアートワークで表現してほしいか? という強い意見を持っていた。僕のイラストレーションの経験と背景が、彼らのアイデアを解釈し、翻訳し、そしてテーマやアイデア、新たな考えを気付かせてくれることに非常に役立っている。僕はずっと、こんなプロセスが非常に面白いと思っていたんだ。実態のない“アイデア”というものを、“ビジュアル”という形に表現することの面白みがあると思う」
小さい頃、あなたはどんな子供でしたか?
「僕の父や姉妹曰く、背が高くてやせっぽちだったという以外には、いつも絵を描いていて、僕が自分で描いた漫画で友達をよく笑わせていた、と言っていたよ」
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あなたがデザイン、イラストレーションの世界にのめり込んだきっかけとは何だったのでしょうか?
「子供のころ、僕はいつも絵を描いていたんだ。それは、僕にとってもお気に入りの思い出だね。僕の家族はみんなクリエイティブで、今考えてみると僕の家というのは、いつも面白い視覚的刺激に溢れていたのだと思えるんだ」
あなたの人生において大きな影響を与えたクリエイター、アーティスト、写真家などはいますか?
「アーサー・ラックハムのイラストレーションは、少年だった僕にとって人生で初めて大好きだと感じた作品だった。あの出会いが、きっと僕をイラストレーションの道に導いたのだと思う。その後は、サイ・トンブリーの作品やクルト・シュヴィッタースのコラージュ、ロバート・ラウシェンバーグ、アレクサンドル・ロトチェンコ、 ヨーゼフ・ボイス、 ハーバート・マターといった多くのアーティストから大きな影響を受け、インスピレーションをもらった。彼らはみんな、僕の原点にある人々なんだ」