Zoom Magazine
Interview with Matthew Cooper
Photos and illustrations by Matthew Cooper Text by: Kohei Ueno Interview by: Hitomi Moro (Qetic)

Introduction

<ドミノ・レコーズ>作品のアートワークにおける、最高責任者。
マシュー・クーパーの生み出すアイデアは、発見とサプライズに満ちている

どんなに高級な食材を使っても、シェフの腕が悪ければ美味しい料理はできない。それは「デザイン」に関しても当たり前のことで、この世に存在するアートや写真という「素材」を生かすも殺すも、最終的なデザインに落とし込む人間の技量やコントロールにかかっている。もちろん、知識や経験だって必要だろう。

今回登場してもらうマシュー・クーパーは、イギリスのインディーズ・レーベル<ドミノ・レコーズ>をはじめ、音楽業界を中心に様々なクライアントと仕事をしてきたデザイナー兼イラストレーターで、いわば影の最高責任者。アートスクールでしっかりと基礎を学んだ秀才であり、東ロンドンの個人スタジオで日夜クリエイティブの制作に励む、2児のパパでもある。

<ドミノ>といえば、良い意味で曲者揃いのミュージシャンが集まった現代音楽の総本山。フランツ・フェルディナンドやアークティック・モンキーズ、フォー・テットといった大物から、マックス・ツンドラやボニー・プリンス・ビリーといった、コアな音楽リスナーでなければ滅多に触れることがない異端のアーティストに至るまで、在籍するラインナップは百花繚乱。そのほとんどのディスコグラフィーにおいてアートワークのデザインを手がけてきたのが、このマシューなのだ。

例えば、フランツ・フェルディナンドの一連のジャケットやミュージック・ビデオが、ロシア構成主義からの影響を受けているのは有名な逸話。サウンドだけでなく、自分たちを取り巻くアートに関しても、並々ならぬこだわりを持つフランツのメンバーが全幅の信頼を置いているという事実だけでも、いかにマシューが優れた才能とスキルの保有者であるかが窺えるというもの。以下のインタビュー中でも「僕はとりわけ、レター・フォームを組み込んでいくのが好きで、写真的要素、イラスト的要素、そしてコラージュ的要素を融合させるのが得意なんだ」と語っているように、彼の残してきたコラージュ/モンタージュ作品はまさに“職人”の領域。

過去に本サイトのVol.2で掲載された、写真家ジェイソン・エヴァンスの特集にもパートナーとして登場してもらっているが、今回は彼が主役。本人や<ドミノ>のオーナー、ローレンス・ベルとの対話を交えながら、改めてマシュー・クーパーという人間を紹介しよう。秘蔵のラフスケッチなど、音楽ファンにはたまらない垂涎のフォト・ギャラリーと併せてお楽しみいただきたい。
Introduction Photo
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